RESEARCH

事前調査と準備期間の活動

プロジェクトの輪郭

プロジェクトの輪郭

2017年夏頃までに、浜松信用金庫営業店統括部に属する地域貢献課において、「地域活性化」をテーマとしたいくつかのプランが想起されました。
その中から、「花のリレー・プロジェクト」(当時まだ名称は未定)の原案に対して下調べがはじまりました。
まずは、天竜浜名湖鉄道との連携。そして、実際に継続的に花を植えていく実行力の確保。さらには、植栽の計画を立てるプロデューサー役の選出など、すべてが新しい領域へ踏み込むチャレンジでした。

現地調査

第1回 現地調査の実施

2017年10月10日、第1回目の現地調査を実施しました。天竜浜名湖鉄道の協力により、この時すでに植栽の候補地が数十ヶ所ピックアップされていました。
また、花植えのプロデューサー役として、日本初の女性樹木医であり、現在、はままつフラワーパークの理事長を務める塚本こなみ先生を迎えることが内定していました。
現地調査は、「西気賀駅」と「寸座駅」の中間地点にある斜面からはじまりました。電車の中から眺める光景と線路脇から眺める光景にはかなりの差があり、「誰に見てもらうのか」という視点を考慮する必要性を強く実感しました。

調査場所は、この他に「気賀駅」、「金指駅」、「常葉大学前駅」、「岩水寺駅」付近、「天竜二俣駅」、「敷地駅」、三川地区付近など。回りきれなかった場所は、次回の調査へと持ち越されました。


第2回 現地調査の実施

2017年10月17日(火)、第2回目の現地調査を実施しました。
この日は、雨の天候でしたが草花にとっては貴重な恵みの雨。自然の中でたくましく育つ草花や樹木が天浜線周辺に咲き誇ることに思いを馳せながら各駅をまわりました。
最初に訪れたのは、なんとも奇妙な名前の「寸座(すんざ)駅」。
今から1200年ほど前、坂上田村麻呂が東征に向かった際、この峠で小休止した、と言われる場所。「小休止」→「寸座」となったようです。
ここではホーム周辺の状況を確認。無人駅で通りからも見過ごされそうな駅が、どのように変わっていくのか楽しみです。
続いて、カモメの飛来で有名な「佐久米駅」、さらには「東都筑駅」、「都筑駅」などをめぐりました。

 

第3回 現地調査の実施

2017年10月30日(火)、第3回目の現地調査を実施しました。
この日は、湖西方面から三ケ日にかけての状況を確認しました。西側の玄関にあたる「新所原駅」は、JR東海道線との接続駅で、豊橋や名古屋方面から訪れる方(多くは県外からの方)にとっての起点となる駅です。
また、数少ない有人駅のひとつとして、シンボル的な要素を含め、なにかしらの整備が期待される場所です。駅構内とその周辺には、樹木や草花によって彩ることで大きくイメージが変わりそうなスペースがありました。電車待ちの合間にちょっと草花を眺められるような憩いの空間を演出できると、人々の心を和ませることにつながるかもしれません。
「尾奈駅」は、地元の方が普段から手入れをしている跡がうかがえる駅。フェンスを伝って横に伸びた藤のつるが、季節の名残を感じさせます。この駅のように、地元の方々が普段から熱心に手入れを施している駅に関しては、その愛着の心もあると思われます。そうした気持ちを大切にしながら、新たにプロジェクトの息吹を吹き込んで、よりよい整備が行き届いた場所にすることが必要となるでしょう。プロジェクト最優先ではなく、「調和」の中から未来の姿を探っていくことが、今回の調査から確認されました。
 
さらに「知波田駅」、「三ケ日駅」、「大森駅」、「奥浜名湖駅」付近を順次調査した結果、少しずつプロジェクトの輪郭が見え始めてきました。
それは、“全線において一律に同じアプローチをすることが適切だろうか”という疑問の喚起です。この少しモヤモヤとした感覚は、次の第4回目の調査で少し晴れることになるのですが・・・。

 
 
 
 

第4回 現地調査の実施

2017年12月11日(月)、第4回目の現地調査を実施しました。
この日は、実際に天浜線の車両に乗車して、車窓から外の風景を眺めました。実は、電車の中は、地面から相当高く2メートル~3メートルほどになります。その位置からの眺めは、これまで歩いて見てきた光景と大きな差があることに気づきました。
「線路近くの背丈の低い草花は、車両内からはまったく見えない・・・」。
しかも、車両の巡航速度が想像よりも速く線路に近い景色はあっという間に背後に遠ざかってしまう・・・。
車両内からゆっくり座って外を眺めた時に「きれいだ」と感じる光景は、かなりの遠景である方が好ましいのです。例えば線路と平行に走る桜並木も、少し離れていた方が、長い時間それを楽しむことができるのです。その一方で、前方の窓からは近くの景色が臨場感をともなってせまってきます。線路が直線なら、その両脇に桜を植えれば、桜のトンネルの中を抜けるような光景が楽しめるかもしれない、と。
新しい発見は、多くの可能性をもたらしてくれます。「誰に見てもらうのか」「いつ、どんな状態で見てもらうのか」「どう見せたら、もっと楽しんでもらえるのか」・・・。まだ見ぬ光景が、想像を膨らませてくれます。

「天竜二俣駅」から、まずは上りで「掛川駅」へ。そこから引き返して、今度は「新所原駅」までを往復。上り下りを通して体験すると、周辺の景色の違いが明確になります。浜名湖に近づくほど、今のままの自然の光景の素晴らしさが際立ちます。一方の磐田・袋井・森町・掛川方面は、生活の匂いが残っています。
プロジェクトによる彩りのつけ方は、その場所によって性格を変えていく方が望ましいのかもしれません。

 
 

第5回 現地調査の実施

2018年3月13日(火)、第5回目の現地調査を実施しました。
その前日、はままつフラワーパークを訪ねた際に、「スマイルガーデン」づくりを手がけていた吉谷桂子先生との面会の機会を得ました。そして、塚本こなみ理事長から『吉谷先生との共同プロデュース』は、何かをもたらすのではないか、という提案があり、プロジェクトは大きく飛躍の機会を得ることになりました。

さっそく、吉谷桂子先生も交えて「天竜二俣駅」を見学することになりました。駅舎の西側に広がる公園部分と天竜浜名湖鉄道の敷地を活用して、このプロジェクトを象徴するガーデンの構想が浮かび上がりした。駅舎の背後にある小高い山も景色として取り込み、日本の在来の草花が生い茂るガーデンは、魅力的な光景をつくり出すことでしょう。

こうして、プロジェクトの構想は大きく前進し、どの場所にどのような草花・樹木を植えるのが良いかを具体的に検討することになりました。
そして、6月6日(水)のキックオフパーティーに向けて、いよいよプロジェクトは動き出すことになりました。